ギフターム便りVol.48 お肉の融点と美味しさの関係

今年も残すところ約2週間強。
心地よく年末を迎えるためにも、ラストスパートです。

今日は「お肉の融点」に関するお話です。
なんか、子供の頃に理科で習ったなとお思いの方。
そうです、その「融点」です。
個体、液体、気体を学んだ時に出てきた言葉。
当時は意味があるのかどうかも分からないまま、テストの為に勉強した記憶が・・・。
繋がってるものですね。苦笑

お肉の融点とは?

私たちが日常的に食べるお肉には、部位や種類によって「融点」という性質があります。融点とは、物質が固体から液体に変化する温度のこと。お肉の場合、この融点は脂肪の質によって決まります。

1. お肉の融点―なぜ重要なのか?

お肉の脂肪は、融点によって食感や口溶けが大きく異なります。例えば、和牛の霜降り肉は脂肪の融点が低く、人肌程度の温度でも溶けるため、口に入れた瞬間にとろけるような感覚を味わえます。一方で、融点が高い脂肪はしっかりとした歯ごたえがあり、調理後も形状を保ちやすい特徴があります。

2. 脂肪の種類と融点

脂肪はその構成成分により融点が異なります。大きく分けて次の2種類に分類されます:

  • 飽和脂肪酸:融点が高く、固形であることが多い。
  • 不飽和脂肪酸:融点が低く、液体になりやすい。

和牛の脂肪には不飽和脂肪酸が豊富に含まれているため融点が低く、独特の舌触りを生み出します。一方、輸入牛肉や脂肪分の少ない赤身肉は飽和脂肪酸が多く含まれるため、より高い温度で溶け始めます。

3.お肉の種類による融点の違い

  • 和牛
    和牛の脂肪は主に不飽和脂肪酸で構成されており融点は約25℃前後です。この低融点のおかげで、和牛特有の口溶けの良さが実現されています。
  • 一般的な牛肉
    海外産の牛肉や脂肪の少ない部位では脂肪の融点が30℃以上になることが多く、焼き上げることで旨味が引き出されるタイプです。
  • 豚肉
    豚肉の脂肪の融点は牛肉より少し高めで約30℃から40℃程度です。焼くと脂が溶け出して甘みを引き立てます。
  • 鶏肉
    鶏肉の脂肪は牛肉や豚肉と比べてさらに低く約20℃から30℃程度です。そのため、あっさりとした脂の風味が特徴です。

4. 融点と調理の関係

脂肪の融点を理解することで、より美味しいお肉の調理法を選べるようになります。

  • 低温調理
    融点が低い脂肪を持つ和牛などは、低温でじっくり火を通すことで脂が溶け出し、ジューシーさを保つことができます。
  • 高温調理
    輸入牛や羊肉など融点が高い脂肪を持つお肉は、高温で焼き目をつけることで香ばしさと旨味が引き立ちます。

5. 部位による融点の違い

同じお肉でも融点は部位によっても異なります。

  • バラ肉
    脂肪が多く、融点が低い傾向。しゃぶしゃぶやすき焼きに最適です。
  • ロース肉
    適度な脂肪を含み、幅広い調理法で活躍します。
  • 赤身肉(ヒレ、モモ)
    脂肪が少なく、融点を気にせずしっかりと焼くことができます。

6. 消費者として知っておくべきポイント

お肉を購入するとき産地や品種はもちろんですが、この「融点」を考慮して使うことで調理後の満足感が変わっていきます。特に和牛やブランド豚のように融点の低い脂肪を持つお肉はシンプルな味付けでその旨味を楽しむのがベストです。

普段、あまり融点について意識することはないことかと思います。
ですが、融点を意識してお肉を選ぶことで、普段のお料理が大きく変わるかもしれません。
ぜひお試しいただけたら。

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